【私が癒えるまでの全記録】⑥ 苦しみを自分で作り出す
「ハコミセラピー(心と身体の両方に働きかけるセラピー)」での体験を通して、私は、心の中に、6人のキャラクターがいることに気づきました。
キャラクターたちの思いや、キャラクター同士の関係に注目することによって、自分への理解が進んでいきます。
今回は、最初に起こったキャラクター同士の葛藤について、お伝えします。
元気な子どものキャラクターが、原動力だった
私の中にいる、6人のキャラクターのうち、一番元気なのは、3歳~4歳ぐらいの女の子。
天真爛漫で、思ったことを、どんどんやってしまいます。
私は、自分の名前をもじって、「なおちゃん」と名前をつけました。
「ハコミセラピー」に参加できたのも、「なおちゃん」のおかげ。
「ハコミセラピー」を初めて知ったときに、「なおちゃん」が、「これよ!これ!」と、主張していました。
「ハコミセラピー」のBeingコース(体験を重視し、自分の在り方を見つめるコース)。
ここが、自分らしさを取り戻せる場所だと直感した「なおちゃん」。
参加初日から、水を得た魚のように、自由に振る舞います。
グループを運営する方から、「思ったことをシェアするといいよ」と言われると、「なおちゃん」は、初日から、バンバン、シェアをします。
「なおちゃん」が、全員の前で、シェアしたこと。
- 「ハコミセラピー」のグループは、居心地が悪い。
- 「ハコミセラピー」のグループには、居場所がないと感じる。
- 自分はダメな人間だ、と思っている。
- 日常生活でも、同じように、居心地が悪い、居場所がない、自分はダメな人間だ、と思っている。
「ハコミセラピー」のBeingコースに参加した2日目には、「なおちゃん」のシェアをきっかけに、私を中心とするグループワークまで、おこなわれてしまいます。
指示と叱責を連発する女性のキャラクターも、強烈だった
「ハコミセラピー」のBeingコースに参加した初日から、「なおちゃん」ではない、別なキャラクターも活発に動いていました。
大人の女性(20~40代)で、口うるさい、厳しい感じ。
おそらく、「私の母の分身」といった存在です。
私は、母の名前をもじって、「タカハシさん」という名前をつけました。
私が、「ハコミセラピー」のBeingコースに、初めて参加する朝。
「タカハシさん」は、早々に指示を出してきました。
- 今日、初めて会う人に対して、失礼があってはいけない。
- 自分のほうから、相手に愛想よく話しかけ、相手から好かれないといけない。
「タカハシさん」の指示に従って、私は、ほかのメンバーに話しかけます。
すると、「タカハシさん」から、厳しいダメ出し。
- 相手が興味をもつような、気持ちが楽しくなるような話題じゃないと、ダメ!
- 相手には、ほんのちょっとでも、不快な思いをさせてはいけない!
私が、どんな話題を出したらいいのか、悩んでしまい、黙っていると…。
- 黙っていたら、相手を嫌な気持ちにさせてしまう!
- 早く、気のきいたことを言わないといけないと、ダメ!
相手に話しかけても、ダメ出し、黙っていても、ダメ出し。
私は、どうしたらいいか分からなくなり、フリーズしてしまいます。
そうしたら、「タカハシさん」から、さらなるダメ出しの嵐。
- 気のきいたことの1つも言えないなんて!
- そんなだから、みんなに、嫌われるのよ!
「タカハシさん」からの激しい叱責を受け、私は、どんどん元気がなくなっていきます。
そして、私は、人の輪に入っていく気力がなくなり、一人でいることを選んでしまうのです…。
自分自身へのダメ出しが、自分を追い込んでいく
「タカハシさん」は、人との関わり方について、うるさく口出ししてきます。
しかし、それ以上に、私の失敗は、決して許しません。
「ハコミセラピー」のBeingコースに参加して、3日目。
「相手の話を聞いて、相手の感情を短い言葉で返していく」というワーク(「ハコミセラピー」では、「コンタクト」と呼ばれる技法の練習)。
私は、うまく言葉を返すことができず、まごまごしてしまいました。
すると、「タカハシさん」の叱責が、燃え上がります。
- 心理カウンセラーのくせに、そんなこともできないなんて、クズ以下!
- こんなんじゃ、恥ずかしくて、心理カウンセラーをやっているなんて、口が裂けても言えない!
その後も、「コンタクト(相手の感情を短い言葉で返していく)」がうまくできず、その都度、「タカハシさん」に罵倒されます。
「ハコミセラピー」のBeingコースに参加して、5日目。
私は、一方的に罵倒される悲しみ、どうしたらいいか分からない困惑で、身動きができなくなります。
とうとう、「ハコミセラピー」のワークに参加することができなくなり、一人で座布団の上にうずくまるのが、精一杯。
ほかの参加者が、「ハコミセラピー」のワークに参加している姿を見ると、「タカハシさん」が、私に追い打ちをかけます。
- せっかくお金を払って、時間を割いて来ているのに!
- ワークに参加することすらできないなんて、人として、もう終わっている!
もう、嫌だ!いい加減にして!
「なおちゃん」と「タカハシさん」の頭を石でたたきつぶして、二人を消し去りたい!
もう、何もかもが、イヤ!!
「ハコミセラピー」のBeingコースに参加して、まだ、5日目の途中だけど、もう、やめたい。
休み時間になったら、グループを運営する方に、帰ると伝えよう。
「ハコミセラピー」には、もう、二度と、来ない。
そう決心しました。
「ハコミセラピー」では、「マインドフルネス」を丁寧におこないながら、いろいろなワークをしていきます。
「マインドフルネス」は、ゆっくり深呼吸をしながら、身体の感覚を意識していく。
「マインドフルネス」の状態になると、意識の活性度が下がり、無意識の中にあるものが、前面に出やすくなります。
そのため、日常生活でも起きていることが、「ハコミセラピー」の場では、スケールアップして、起こってくるのです。
「タカハシさん」に責められることで、苦しくなり、人が集まる場所を避けるというプロセスは、日常生活でも、起きています。
ただ、そのことに気づかずに、過ごしているだけ…。
結局、「苦しい思いを作っているのは、私自身だった」のです。
苦しい思いを改善する最初の一歩は、自分がはまっているパターンに気づくことなんですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
続きはこちら。参加者のそのままの在りようが、私を救いました。