思春期の子どもに大切なのは、「ほど良い距離感」。親が自分のメンタルを整えることが必要

2020年8月19日

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スクールカウンセラーへの相談として、最近、増えているのが、思春期のお子さんへの対応

子どもが、親に反発し、親の言うことを聞かなくなったという、ご相談です。

だいたい、小学校高学年ぐらいから、親への反発が始まり、中学生でピークを迎え、高校生になるとおさまっていく、というのが、よくあるパターンです。

 

子どもの反発や、荒れた言動は、子どもが「自分らしさ」を、精一杯に表現しているということ。

そして、子どもが「自分らしさ」を表現できる力を、親が、育ててきたという証。

とはいえ、それまで、親の言うことを聞いていた子が、大声でわめき散らしたり、親を無視したりすると、親はとまどいます。

 

子どもに反抗されて、困っている親に共通しているのが、「子どもとの距離が近い」こと。

愛情ゆえだったり、子どもに苦手なことが多くて、どうしても手をかけざるを得なかったり。

あれこれ指示を出す、叱咤激励する、いろいろ尋ねる、注意する、叱る…。

 

私が、保護者の方にお伝えし、自分でも実践しているのが、思春期の子どもと、「ほど良い距離をとる」です。

今回は、「ほど良い距離をとる」ための工夫について、お伝えします。

「ほど良い距離」のイメージは、「池で泳ぐ子どもを見守る感じ」

思春期の子どもと「ほど良い距離」をとる、というイメージは、「池で泳ぐ子どもを見守る感じ」

私の中で、勝手にもっているイメージですが、保護者の評判が、わりといいのです。

 

子どもが、池で泳いでいたら、好きに泳がせる。

泳ぎ方について、あれこれ言わない。

ただ、おぼれては困るので、少し離れたところに、姿を隠して、子どもの様子を見守る。

子どもが、おぼれ始めたら、「手助けはいる?」と尋ねる。

「助けて!」と言われたら、浮き輪を投げ入れるなどして、助ける。

「大丈夫!」と言われたら、様子を見守る。

おぼれていて、今にも沈みそうだったら、「もう、これ以上は、見ていられない。助けるからね」と言って、助ける。

 

子どもを、構いすぎることも、放任することもない。

そんな距離感です。

「ほど良い距離感」を保ちながら、子どもに関わる具体的な方法

「イメージは分かったけど、具体的にどうするの?」

ごもっともです。

私の実体験を交えて、説明します。

基本的に、子どものやることを見守る

私の息子は、今(2020年時点)、中2です。

ある意味、思春期、反抗期の真っ盛り

 

小学生までは、本当に素直で、優しい子でした。

ところが、中学生になると、豹変

口数は、いきなり少なくなり、イライラしやすくなりました。

 

最近は、夫(父親)と、「塾のテストでいい成績をとったら、ゲーミングPCを買ってもらう」という約束をしているせいか、ものすごく機嫌が悪いです。

塾のテストの成績が悪かったら、ゲーミングPCを買ってもらえないかもしれない、と不安になるからです。

とはいえ、勉強は、必要最低限しかやりません。

 

夫(父親)が、勉強するよう声をかけると、キレて、大声で文句を言い、夫と激しい口論になります。

その後、「お父さんに、嫌なことを言われたから、勉強する気がなくなった。どうせ、やってもダメだから」と、弱音をはきます。

 

私は、基本的に、勉強のことは言いません

息子が、ゲームざんまいで、自主的に勉強をしていなくても、息子の好きなようにさせています。

やるべき宿題をやっていれば、それでいい、ぐらいに考えています。

 

ただ、塾のオンライン授業の際、息子が、リビングのテーブルにつっぷしていたので、「勉強が難しいなら、教えようか」と声をかけました。

すると、息子が、「教えて」と言うので、時間が空いたときに、勉強を教えています。

 

子どもが荒れたら、スルーする

先日、息子に勉強を教えていたら、息子が、「分かんねぇ!!」と頭を抱え、自分の頭をバンバンたたき始めました

足をドスドス踏み鳴らし机をバンバンたたき英語の四文字言葉(NGワード)をさけびます

 

私は、見ていて、つらくなってしまいました。

「あんたが、ゲームばっかりしていて、勉強しないからでしょ!」という言葉が、のどまで出かかっていますが、ぐっと飲みこみます

 

深呼吸をしてから、「あなたが、この状態だと、お母さんのほうがつらくなってしまう。

あなたが、勉強を教えてほしいと言うのなら、お母さんも気持ちを整えて、勉強を教える。

それとも、教えるのをやめたほうがいい?」と尋ねました。

息子は、「教えなくていい」と言うので、私は、その場をサッと離れました。

親自身のメンタルを整える

ちょうど夜の時間だったので、私はお風呂に入りました。

でも、息子が、リビングで、床を踏み鳴らす音、机をたたく音、大声でさけぶ声が聞こえてきます。

息子を頭ごなしに叱りつけたい衝動にかられますが、言ってもデメリットしか見いだせないので、気持ちを整えます

 

私にとって一番いい方法は、息子を罵倒したくなるような「考え」を、頭の中から一掃すること。

「考えないようにする」というのは、不可能なので、代わりに別なことを考えます

 

私は、「慈悲の瞑想」を唱えることが、お気に入りです。

お風呂に入りながら、「慈悲の瞑想」を唱えると、気持ちが静まっていきます。

 

そして、お風呂から上がったら、息子に「早く寝たほうがいいよ」と声をかけ、さっさと寝てしまいました。

睡眠を十分にとると、さらに、気持ちが整います。

「慈悲の瞑想」については、こちらの記事をどうぞ。

「Iメッセージ」を使う

子どもに伝えたいことがあるとき。

まず、お互いに冷静なときを選びます。

そして、「Iメッセージ」を使って、親の思いを伝えます。
「Iメッセージ」は、私を主語にして、自分の気持ちを伝える方法です。

 

翌朝、リビングのテーブルに、まっぷたつに折れた鉛筆が転がっていました。

イライラした息子が、鉛筆をたたき折ったようです。

 

私は、深呼吸をして気持ちを整えから、起きてきた息子に話をします。

「鉛筆が折れているのを見て、お母さんは、本当にガッカリした。

イライラして物に当たるほど、心がすさんだ人間に育ててしまったと思って、お母さんは、自分の責任を感じている。

今の状態が続くなら、お母さんは、つらすぎて、あなたを応援できない」

 

すると、息子は、「どうせ、俺は、バカだから。

テストの成績が悪かったら、ゲーミングPCを買ってもらえなくなる。

そうしたら、俺は病む」。

 

私は、深呼吸をして、気持ちを整え、さらに、話をします。

「Iメッセージ」以外のこと、たとえば、「世の中の道理」を伝えるときは、「くどくど伝えない」というのが、ポイントです。

 

「お母さんは、勉強をやった時間と結果は、比例すると思う。

いい成績を取りたいなら、その分、勉強することが必要。

勉強しないで、悪い成績をとるのは、必然。

ただ、お母さんとしては、病んでしまったあなたを放っておくのは、つらすぎて、できない。

あなたが病んでいると思ったら、お母さんの判断で、メンタルクリニックか、集中内観へ連れていく。

専門機関へ連れていくことは、受け入れてほしい」

息子は、黙って聞いていました。

 

その後も、息子は、相変わらず、時間があれば、オンライン・ゲームをやっています。

それでも、自主的に勉強をする時間が、ちょっとだけ増えています。

 

そして、塾のオンライン授業が、終わった後。

「俺、この分なら、塾のテストで、それなりの成績、取れるかも」と、明るく話しかけてきました。

 

受け身メインのコミュニケーションをとる

機嫌がいいとき、息子は、私にあれこれ話しかけてきます。

 

最近、息子は、ゲーミングPCの機種、マウス、ヘッドセットについて、語る、語る…。

内容は、専門的すぎて、ほとんど分からないのですが、「そうなんだ。いいね。すごいね」と、相づちを打ちながら、話を聞きます。

「話の内容を理解する」、というよりは、「楽しそうな息子の雰囲気を一緒に味わう」、という感じで、話を聞いているのです。

 

大人だって、自分が興味のある話をしているとき、相手が熱心に聞いてくれたら、嬉しいですよね。

相手への信頼というか、好意が増します。

子どもなら、なおさらではないでしょうか。

 

思春期の子どもに接するときは、何より、親が、自分自身のメンタルを整えることが、カギです。

たいていの場合、親が、自分の気持ちをコントロールしきれず、感情のままに怒っていることが、子どもの反発を強めています。

 

子どもへの対応が、これでベストなのかは、分かりません。

ただ、今のところ、うちでは、何とかなっています。

今後、息子が、大荒れに荒れて、私の対応が間違っていたと反省することがありましたら、また、お伝えします。

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