職場で「いじめ」のターゲットになったとき② 1つずつできることをしていく

2020年8月19日

私が、職場で、「いじめ」のターゲットになったとき。

「いじめ」の本質、被害者の心境、対処法を知る、絶好の機会。

そう自分に言い聞かせて、1つずつできることをしていきました。

 

前回の記事では、私が、職場での「いじめ」に対処するために、おこなったことのうち、

①「いじめ」に取り組む基本姿勢を定める。

を取り上げました。

 

今回は、

②「いじめ」が起こるメカニズムを見極める。

③職場の環境を変えるために、少しずつ行動する。

について、お伝えします。

「いじめ」が起こるメカニズムを見極める

まず、どういうメカニズムで、職場での「いじめ」が起こっているのか、観察しました。

その結果、分かったこと。

  • 心理カウンセリング業務は、業績を評価しづらいため、職場内での評価は、直属の上司の判断で決まる傾向がある。
  • あるベテランスタッフ(Aさん)の意見で、直属の上司が、部下に対する評価を変えるときがある。
  • 「いじめ」を先導する2人は、Aさんから、目をかけられている。
  • 職場内のスタッフは、若手が多く、Aさんや、「いじめ」を先導する2人に、ものを申しづらい。
      ↓
  • Aさんが、実は、職場内で大きな権力を持っている。
  • Aさんに嫌われた人が、「いじめ」のターゲットになる。
  • 「自分に対する評価」を上げるために、動いている人たちがいる。
  • 私に対する評価を下げることで、「自分に対する評価」を上げようとする人たちがいる。
  • 「自分に対する評価」に納得できない、というストレスを発散するために、「はけ口」を探している人たちがいる。

職場の環境を変えるために、少しずつ行動する

「いじめ」が起こるメカニズムが、見えてきたところで。

「職場の環境を変えるための作戦」を考えました。
①「いじめ」を先導する2人の良いところを、見つけてほめる。
②ベテランスタッフ(Aさん)から、これ以上、嫌われないように、ほどよい距離をとる。
③直属の上司より上の立場の人に、動いてもらう。

「いじめ」を先導する2人の良いところを、見つけてほめる

相手が「評価」を求めているなら、相手に「評価」を与える作戦です。

実際、嫌な相手でも、優れた面はあるものです。

「相手の良いところをほめる」ということを続けるうちに、私に対する2人の態度が、だんだんやわらかくなっていきました。

ベテランスタッフ(Aさん)とは、ほどよい距離をとる

Aさんが、何を求めているのか(評価?権威?ストレスのはけ口?)、ハッキリとは分かりませんでした。

そのため、Aさんと、仕事上で関わるときは、「ほどよい距離」をとることにしました。

Aさんが話しかけてきたときは、愛想よく、受け答えします。

そして、私からは、雑談も含めて、話しかけません。

機嫌をとることはせず、積極的に関わらないけれど、愛想はいい、というスタンス。

Aさんは、敏感な人だったので、何かを感じとったのか、あるとき、私に小さなプレゼントをくれました。

直属の上司より上の立場の人に、動いてもらう

入社して3年目に、係長クラスの上司が、異動してきました。

仕事に対しては意欲のある人でしたが、人の心の機微を把握しているかは、微妙でした。

それでも、これまでの上司と比べ、職員に対して、理解がある人でした。

年1回、係長クラスの上司と面談をおこなうことになっていたので、そのときを活用することに、決めました。

それまでの2年間、「自力で頑張る」というアプローチをとってきた私。

「自分以外の力を借りる」、絶好の機会が、到来しました。

係長クラスの上司との面談に際して、気をつけたこと。

  • 自分が「いじめ」を受けていることを、感情的に訴えることはしない。
  • 「いじめ」を先導する2人が、「職務上で行き届いていないこと」を、客観的に伝える。
  • 職務上の怠慢が横行するベースに、直属の上司の管理不足があることも、客観的に伝える。
  • 「利用者の満足度を上げるためには、職場環境の改善が必要」という意図で伝える。

面談後、係長クラスの上司は、職員全員の仕事ぶりを、折にふれて、見にくるようになりました。

そして、「いじめ」を先導する2人には、年度末、左遷と思われるような人事がおります。

実際、2人は、職務上の怠慢があったほか、私以外のスタッフに対する過干渉も、おこなっていたからです。

2人が、職場内から去り、私に対する「いじめ」は、収束しました。

「いじめ」が収束して残ったもの

職場内で、私に対する「いじめ」は、収束しました。

ですが、私が受けた精神的なダメージは、はなはだしいものがありました。

小さいことではあっても、ネチネチと日常的に続く嫌がらせは、骨身にこたえます。

そして、私が、一番おそろしく感じたのは、「いじめ」の傍観者たちの存在です。

「いじめ」の首謀者や、「いじめ」を先導する2人の言動に、ときには歩調を合わせ、ときには見て見ぬふりをします。

しかも、「いじめ」を先導する2人が、左遷と思われるような人事を受けたあとは、てのひらを返したような対応…。

「いじめ」の傍観者たちは、2人に対して、冷たい態度をとるようになりました。

「いじめ」の加害者が、立場が変わったことによって、「いじめ」の被害者になった、とも言えます。

単に、「いじめ」のターゲットが、移り変わっただけ
つまり、「いじめ」が起こる環境は、変わっていなかったのです。

おそらく、係長クラスの上司は、私の直属の上司などにも、注意を促したのでしょう。

ですが、そもそも、意識していないことを指摘され、きょとんとしただけで、終わったのかもしれません。

自分の言動に対して無自覚な人が、周りの人を、知らぬうちに、傷つけていくのです。

結局、「いじめ」を根本的になくすためには、その職場内にいる人たち全員が、自分の言動を自覚しないといけない

あるいは、影響力のある管理職が、「いじめ」の根絶に立ち上がらないといけない。

そのことを、痛感しました。