子育てに親のエゴが出るのは、自然なこと。暴走を防げばいいだけ

2020年8月19日

「子育てに、親のエゴを持ち込んではいけない」

親に、「聖人」のような役割を期待する人が、たまにいます。

 

でも、この世の中に、「エゴ」の要素がまったくない人間は、ほとんどいません

親だって、普通の人間。

子どもに対して、親の「エゴ」が出てしまうのは、自然なことです

 

ちなみに、「エゴ」を広辞苑で調べてみました。

「エゴ」は、「エゴイズム」の略。

「エゴイズム」=「利己主義」

「利己主義」の意味は、「自己の利害だけを行為の基準とし、社会一般の利害を念頭に置かない考え方」。

 

「自分の損得」で行動してしまうのは、人間として、しかたのないことです。

でも、「社会一般の在り方」を無視して突っ走るのは、やり過ぎですよね…。

親のエゴが、極端な方向へ突っ走ってしまうと、子どもを苦しめてしまうかもしれません。

 

とはいえ、「ほどほど」というのが、一番難しい

「自分の損得」だけで、突っ走ること。

「社会一般の在り方」に、ただひたすら合わせること。

どちらか一方だけを極めるほうが、簡単です。

 

親のエゴが暴走することを防ぎ、「ほどほど」にとどめるには、親が自分のエゴを自覚することが必要です。

親が自分のエゴを自覚するために、「親のエゴのベースにあるもの」について、お伝えします。

親のエゴのベースにあるのは、「得られなかったもの」

親のエゴのベースにある、1つめの要素。

親自身が、それまでの人生で、「得られなかったもの」です。

特に、「幼少期に得られなかったもの」は、大きく影響します。

 

人は、だれでも、「得られなかったもの」を渇望し、手に入れようと、あがきます。

「得られなかったもの」を手に入れるために、人生を切り開いていく、と言っても、過言ではありません。

 

ですが、「自分では、手に入れることができない」と、あきらめることもあります。

そして、自分が「得られなかったもの」を、子どもに手にしてほしいと、切望します。

一方で、自分が「得られなかったもの」を、子どもが手にすることが、面白くない、という気持ちをもつ場合もあります。

 

私が「得られなかったもの」は、「母から愛されていたという実感」です。

私は、息子に、「母から愛されていたという実感」を与えたいと思い、やっきになっています。

おそらく、私が母にしてほしかったこと、言ってほしかったことを、息子にしてあげたいのです。

息子を、私の分身と考え、私自身を、私の手で、育て直したいのかもしれません。

 

「得られなかったもの」を手に入れたいという「渇望」が、ベースにあるので、どうしても暴走しやすくなります。

「得られなかったもの」は、生きるために、どうしても手に入れたかったものだからです。

 

私の場合、親のエゴが暴走すると、必要以上に、息子を甘やかしてしまうでしょう。

 

人によっては、「学歴」「お金」「地位」「名声」「容姿」などが、「得られなかったもの」となるかもしれません。

親のエゴのベースにあるのは、「考え方のクセ」

親のエゴのベースにある、2つめの要素。

親自身が、それまでの人生で身につけてきた、「思い込み(ビリーフ)」です。

私は、「考え方のクセ」と呼んでいます。

 

「○○すべき」

「○○しておけば、間違いない」

「○○しないといけない」など

「確信」に近いものほど、「考え方のクセ」である可能性が高いです。

 

私の場合。

考え方のクセ:「早寝早起きして、睡眠時間を十分にとれば、心身ともに健康に育つはず」

暴走しかけると…:睡眠時間をとることの大切さを、息子に、熱く語ってしまう。

 

「考え方のクセ」は、その人が信じていて、大切に思っている考え方です。

「考え方のクセ」は、悪者ではないのですが、無自覚でいると、暴走しやすくなります。

暴走を防ぐために、「自覚する」

親のエゴのベースにある、「得られなかったもの」「考え方のクセ」をなくすことは、容易ではありません。

 

もちろん、「得られなかったもの」を手に入れて、心が満たされることで、渇望は薄れます。

「考え方のクセ」も、工夫をすれば、書きかえたり、手放したりすることができます。

 

親のエゴの暴走を防ぐために、一番手っ取り早い方法は、「自覚する」ことです。

 

「得られなかったもの」を自覚するための方法

「子どもに与えたい!」と、心から願っているもの。

それを、紙に書き出します。

 

そして、「子どもに与えたいもの」「そこから得られるものは何か?」と、どんどん掘り下げていきます。

最後の最後に行きついたものが、あなたが「得られなかったもの」です。

 

私の夫の場合。

有名大学卒の学歴

自分の能力を活かせる仕事

人から羨ましがられること

人からバカにされないこと

 

「考え方のクセ」を自覚するための方法

子どもと接していてイラッとしたときに、「頭に浮かんでいる考え」

「頭に浮かんでいる考え」=「考え方のクセ」です。

それを、紙に書きとめていきます。

 

「考え方のクセ」を書きとめたら、「その真意は?」と深堀りするのが、私は好きです。

 

私の夫の場合。

息子が、口答えすると、カッとして、息子を怒鳴りつける

「子どもは親を尊敬し、親の言いつけに従わないといけない」

「自分は、尊敬される親でいないといけない」

「自分は、立派な人間でありたい」

「人から、バカにされてはいけない」

 

私の夫の場合、人からバカにされたツライ過去があったのでしょう。

それをバネに、頑張ってきたのかもしれません。

 

親のエゴのベースにある、「得られなかったもの」「考え方のクセ」を、「自覚する」

自分自身を客観的に見ることができれば、「傾向」を把握し、「対策」を打つことも、可能になります。

 

「自覚すること」が難しいあなたは、難しいなりの理由があるはずです。

焦らずにいきましょう。