感情に寄りそわないと前に進まない
頭では分かっているんだけど、どうしても、気がおさまらない。
イライラする。
それは、「感情」が、行き場を失っているからです。
私は、ネガティブな「感情」を、いらないものとして、おさえこもうとしました。
ぐっとおさえこむと、ネガティブな「感情」は、一時的に、静かになります。
ところが、しばらく経つと、たまったものが爆発するように、以前よりずっと激しい「感情」となって、ふきだしてくるのです。
試行錯誤の末、ようやく気づきました。
「感情は、寄りそったほうが、おさまっていく」
ネガティブな「感情」への「寄りそいかた」について、お伝えします。
「感情」をおさえこむと、命が危険にさらされる?
ネガティブな「感情」に振り回されることが多くて、「感情の起伏のない、穏やかな人間になりたい」と願っていた私。
ですが、ネガティブな「感情」は、大切な役割をもっているので、なくすことはできません…。
たとえば、原始時代に、狩りをしているとき。
恐ろしいケモノに出あい、「怖い!(ネガティブな感情)」と感じる。
↓
身体が、戦闘状態にはいり、闘う、あるいは、逃げる準備をする。
↓
ケモノと闘う、あるいは、ケモノから逃げる。
↓
命を守ることができる。
ネガティブな「感情」は、「警告」のサインとなり、身体に次の行動をとる準備をさせるのです。
つまり、ネガティブな「感情」をなくすことは、命が危険にさらされることに、つながります。
そのため、ネガティブな「感情」をなくそうとする、あるいは、おさえこもうとすると、ものすごい反発をくらうのです。
文明は、めざましく進化をしたのですが、身体のしくみは、まだ、原始時代と変わらないのでしょうね。
「感情」を、やわらげる
「嫌な気持ちが、何時間も、何日も続いて…」
そんなあなたは、ネガティブな「感情」に、寄りそってみるといいかもしれません。
その前に、ネガティブな「感情」を、やわらげておきます。
目を閉じて、深呼吸をします。
一人になれる、静かな場所のほうが、望ましいです。
目を閉じて、ゆっくり深呼吸をするだけで、ネガティブな「感情」が、静かになっていきます。
ネガティブな「感情」は、「警告」の役割を果たすので、身体が次の行動に備えて、準備を始めます。
心臓の鼓動が速くなり、呼吸が浅く速くなり、目の瞳孔が小さくなり、手や足に汗をかき…。
身体が戦闘状態にはいったときでも、唯一、人が操作できるのが、「呼吸」です。
ゆっくりと呼吸をすることで、身体に「あら~、危険はなくなったのね~」と、思わせることができます。
「感情」に、寄りそう
深呼吸をして、ネガティブな「感情」が、少しやわらいでから。
次の「5ステップ」で、「感情」に寄りそいます。
※フォーカシングと、ハコミ・セラピーのマインドフルネス・ワークを合わせたようなものです。
たとえば、職場でミスをしたとき。
①ネガティブな「感情」に、ピッタリくる名前をつける。
ガッカリした。
②ネガティブな「感情」に、声をかけ、存在を認める。
「ガッカリしたんだね」。
③ネガティブな「感情」を、さらに認め、感謝する。
「ミスをしたら、ガッカリするのは、当然。ガッカリするのは、私が、より良くあってほしと、願っているからだよね。向上心のあらわれだね。私を、より良くするために、ガッカリしてくれて、ありがとう」
④ネガティブな「感情」を、味わう。
悲しい感情などがこみあげてくるときは、泣いてみる。
⑤ネガティブな「感情」が、満足するような言葉をかける。
「なんとかなる、なるようになる」と、声をかける。
「怒り」は、実は、氷山の一角のようなもの。
「怒り」の下には、悲しみ、寂しさ、怖さなど、「もの悲しい感情」があふれています。
危険に出あったとき、最初に起こるのは、実は、「もの悲しい感情」です。
そして、身体が戦闘状態にはいり、「闘う」ことを選んだときに、生まれるのが、「怒り」です。
「怒り」は、二番目に生まれる感情です。
「感情」に寄りそうときは、最初に生まれた「感情」、つまり、「もの悲しい感情」を取りあげるほうが、効果が高いです。
ただ、すぐに「もの悲しい感情」が現れない場合。
まずは、「怒り」に寄りそい、「もの悲しい感情」が出てくるのを、待ちます。
「感情」に寄りそうことは、ハイリスク・ハイリターン
「感情」に寄りそうことができると、気持ちは、驚くほどに整っていきます。
最後の仕上げをするような感じです。
ところが、一人で「感情」に寄りそうことは、なかなか難しい。
特に、寄りそうことが必要な「感情」ほど、とっても手強いのです。
つまり、「感情」に寄りそうことは、ハイリスク・ハイリターン。
「感情」を扱うというのは、たとえて言うなら、野生の動物を飼いならすような感じです。
人によっては、野生とはいえ、かわいい動物の特性をもっている人もいるでしょうが…。
私の場合は、野生の猛獣。
へたに近づくと、大ケガをします。
次の記事で、私の経験もふまえて、「感情を一人で扱うときの注意点と対処法」について、お伝えします。