ツライ思いを溶かす「ハコミセラピー」の魅力 ノンバイオレンス

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20年間、心理学を学んでも、さまざまな心理療法を試して、どうしても手が届かない領域。

それが、「やっぱり、私は要らない子」という思い込みでした。

ところが、「ハコミセラピー」に取り組んだ5年間で、「私は要らない子」というカタマリが溶けていったのです。

今回は、「発達凸凹+傷つく体験=苦しい思い」にドハマりしていた私を救ってくれた、「ハコミセラピー」の魅力についてお伝えします。

※「発達凸凹」とは、生まれつき得意なことと苦手なことの差が大きいという特徴をさします。

 

「ハコミセラピー」とは?


「ハコミセラピー」
は、1980年前後、アメリカのセラピストである「ロン・クルツ博士」が作り出した心理療法です。

東洋と西洋の英知を統合させたもので、心と身体の両方に働きかけます。

今、ちまたで流行っている「マインドフルネス(瞑想状態)」を、最初に取り入れた心理療法でもあります。

 

「ハコミセラピー」には、ざっと、次のようなものが混ぜ込まれています。

  • 仏教
  • タオイズム(老荘思想、道教)
  • さまざまな種類のカウンセリング理論
  • ヒプノセラピー(催眠療法)
  • ボディワーク(身体への働きかけ)

 

「ハコミ」という不思議な用語は、アメリカ先住民、ホピ・インディアンの言葉で、「あなたは何者か」という意味です。

 

新しく作り出したセラピーに、名前をつけたいと考えていた、ロン・クルツ博士。

勉強会をおこなっていたとき、メンバーのひとりが、「ハコミ」という言葉を出したのを聞いて、ロン・クルツ博士は、「それだ!」とひらめいたんですって。

 

「ハコミセラピー」とは、あなたが何者であるかを見いだすセラピー。

このセラピーの本質をズバリと表現している、絶妙なネーミングです。

 

「ハコミセラピー」の魅力である「ノンバイオレンス」とは?


「ハコミセラピー」
の魅力の1つが、徹底した「ノンバイオレンス(非暴力)」です。

「ノンバイオレンス」の意味は、「人の心を脅かすことなく、あるがままを受け入れる」

 

そして、「ノンバイオレンス」の背景にあるのは、タオイズム(老荘思想、道教)

 

タオイズムの考えは、水にたとえると分かりやすくなります。

  • 水が、高いところから、低いところへ流れるように、すべての物事は、なるようになっている。
  • 水は、四角形のいれものに入ると四角くなり、円形のいれものにいれると円くなるように、その場、その場で、最適な形になる。

 

つまり、そのときに必要なことが、必然的に起きているので、あるがままに受け入れていこうという考えです。

「ノンバイオレンス」は絵に描いたモチだと思ってた

「ノンバイオレンス」と言うのは簡単ですが、実践するのは、えらく難しい!

「バイオレンス(暴力)」は、一般社会では、もちろんのこと、心理療法の世界ですら、起こっているからです。

 

たとえば、極端な考え方(ビリーフ)を正す、親への執着を手放すというのは、カウンセラー(セラピスト)がおこなう、問題解決のための「介入」です。

でも、心の世界に侵入されるという意味で、「バイオレンス」とも言えます。

一方、ただ話を聞くだけで、何もしてくれないという感じを与えるのは、「放置」という意味で、「バイオレンス」です。

 

いずれも、カウンセラー(セラピスト)が、相談者(クライエント)のために、良かれと思ってしていることなんですけどね…。

だから、「ノンバイオレンス」は、実現不可能な、絵に描いたモチだと思っていました。

 

やることなすことがすべてOK


※「日本ハコミ・エデュケーション・ネットワーク」のホームページより引用

 

私が参加したのは、「日本ハコミ・エデュケーション・ネットワーク」(JHEN)が主催する「ハコミセラピー」のグループワーク。

「Beingコース(自分らしく在ることを体験する)」と、「Skillトレーニングコース(技術や技法を学ぶ)」があります。

 

「Beingコース」に参加したばかりの頃、阿部優美さん(グループの運営者)から言われました。

「せっかくだから、体験をシェアする時に、思ったことをみんなの前で伝えてみるといいよ。

ハコミの良さを実感するには、飛び込んで、泳いでみたほうがいいから」

 

「お金を払ってる分、元を取らなきゃ」と思い、シェアの時間には、勇気をふりしぼって、自分の体験をみんなの前で話してみました。

  • ほかの人には知られたくない、ネガティブな体験や感情。
  • 高野雅司さん、阿部優美さん(運営者たち)に対する、批判的な意見、文句、苦情。

どんなことを話しても、高野さん、優美さんは、「話してくれてありがとう」と言います。

 

10人ぐらいの参加者たちも、同じです。

私が、言うこと、やること、なすこと、すべてを、「そうなんだね」と、そのままに受け入れてくれます

 

私以外の参加者の言動が、すべて受け入れられていく様子も、目の当たりにします。

  • グループワークの最中に横になり、グーグー寝ていてもOK。
  • 「ハコミなんて、意味がない。もう、今回限りで来ない!」と宣言しながら、次の機会にやってきても、「よく来たね」と歓迎される。

 

「ノンバイオレンス」で満たされた空間にいると…。

「私は、私のままで、この場にいてもいいんだ」ということが、じんわりと分かっていきます。

 

その人のペースに合わせてくれる

「Beingコース(体験を重んじる)」に半年間参加したあと、「Skillトレーニングコース(技法を学ぶ)」に参加しました。

 

「Skillトレーニングコース」は、「2日×10回=20日」という1年間にわたるコースなのですが、初めの「2日×2回」で、心が折れてしまった…。

「心理カウンセラーとして働いてきたんだから、うまくやらなくちゃ!」という考えが、自分の首を絞めていき、その場にいることがツラくなってしまったのです。

 

そのことを、高野雅司さん(運営者)に伝えたら、「参加したくなったら、言って」というお返事。

えっ、それでいいんですか?

となりますが、本当にそれで良かったのですから、驚きです。

挫折したことを、いっさい責められることはなく、私が参加する気持ちになるまで、ずっと待ってもらいました。

 

「Skillトレーニングコース」を途中で辞めてから3年後。

ようやく参加したときも、「よく来たね~」と歓迎モード

 

費用をどうしたらいいかと尋ねたら、「3年前に参加した4日分だけ、追加で払ってくれたらいいよ」だって。

うっそ~。

 

枠組みがゆるすぎて、拍子抜けしちゃうほどです。

同時に、私のペースにとことん合わせてもらえる環境を初めて体験し、心の奥底から、じんわりと温かくなりました。

 

自分の気持ちが整うまで、3年も参加を待ってもらった「Skillトレーニング」。

先日、20日間の課程を終えて、修了証をいただきました。

感無量です。

次は、「ハコミ認定セラピスト」を目指して頑張ります。

 

いかがでしたか?

今回は、ツライ思いを溶かす「ハコミセラピー」の魅力の1つ、「ノンバイオレンス」についてお伝えしました。

「ハコミセラピー」の魅力は、ひと言で説明するのが難しいので、ちょっとずつ、お伝えしていきますね。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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