「ネガティブな感情」や「考え方のクセ」を、無理に手放さなくてもいい
あれこれ悩んでいるときは、「こんな悩み、さっさと解決したい!」と思いますよね。
だって、つらい思いが、延々と続くのって、嫌じゃないですか。
ところが、「一瞬で悩みがなくなる」という、よくできた方法を試したところ、私は、具合が悪くなりました。
今回は、「ネガティブな感情」や「考え方のクセ」を無理に手放さなくてもいいのではないか、ということについて考えてみました。
「悩みを一瞬で消す方法」は実によくできていた
スピリチュアル系のセラピストの方が開発された「悩みを一瞬で消す方法」。
技術を習得すれば、自分自身で、悩みを消すことができます。
理論編&実践編の講座があり、私も、受講しました。
受講して感激したのは、「悩みを一瞬で消す方法」が、心理学的な観点から見ても、実によくできていること。
心理カウンセリングや心理療法をおこなうにあたって、効果があるだろうと思われる要素が、見事に組み込まれているのです。
何より、私が、一番感銘を受けたのは、「考え方のクセ」や「ネガティブな感情」を、「手放す」方法です。
まず、「考え方のクセ」や「ネガティブな感情」を、イメージ化し、擬人化し、対話をします。
ちょっと恨みごとを言ってみたり、そばにいてくれたことを感謝したり。
そして、「考え方のクセ」や「ネガティブな感情」を、もともといた場所、つまり、宇宙の源へ返します。
「考え方のクセ」や「ネガティブな感情」を、「悪者」、「捨てさるもの」としていないところに、とても共感したのです。
手放そうとしたら、どんどん具合が悪くなった
「悩みを一瞬で消す方法」に、いたく感動した私は、帰宅後、早速、実践します。
- ノートに、「嫌な出来事」、「考え方のクセ」、「ネガティブな感情」を書き出す。
- 「考え方のクセ」、「ネガティブな感情」を、手のひらにのせ、物体としてイメージしてから、じっくり対話をする。
- 「ネガティブな感情」は、対話をしながら、味わう。
- 「考え方のクセ」、「ネガティブな感情」に感謝を伝え、別れを告げる。
- 身体のアクションを使って、「考え方のクセ」と「ネガティブな感情」を、宇宙の源へ返す。
実践するのは、簡単でした。
それまでの自己探求を経て、「考え方のクセ」の根本に、「やっぱり私は要らない子」という考えがあるのを知っていたからです。
それに、自分の「ネガティブな感情」も、以前から観察していたので、簡単に把握できます。
ところが、毎日、せっせと実践すればするほど、具合が悪くなりました。
身を切られるような、苦しい、ツライ気持ちが、胸いっぱいに広がります。
実践を重ねるほどに、情緒不安定になり、家事や仕事にも、さしさわるほどになっていきました。
結局、2週間ほど実践して、「悩みを一瞬で消す方法」は、やめました。
実践をやめると、苦しい、ツライ気持ちは、軽減していきます。
「手放す」というやり方が、私には合わなかったのだと痛感しました。
「手放さないこと」にも、大切な意味がある
「ネガティブな感情」や「考え方のクセ」を「手放す」ことが、できなかった私。
それならと思い、「考え方のクセ」、「ネガティブな感情」を「手放さない」ということの意味を、それぞれ考えてみました。
①「考え方のクセ」:「やっぱり私は要らない子」という、自分を否定する考え方
- 幼少期、母に理不尽な対応を受けても、母が大好きだったから、「私が悪い」ということにして、理不尽な状況を理解しようとした。
⇒私が、幼少期をサバイバルするために、「大切な考え」だった。 - 「娘に幸せになってほしい」という母の願いが、そうならない私に対しての「嘆き」になっている。
⇒母の「嘆き」を受けて、「母をガッカリさせる私は、やっぱり要らない子」と考えてしまう。 - 「やっぱり私は要らない子」という考えは、おそらく、母自身がずっと抱いていた考えで、私が引き継いでいる。
⇒母の考えを引き継ぎ、母と一心同体になることで、「母を助けたい」と願っている。
②「ネガティブな感情」:自分を否定することで生まれる、悲しみ、傷つき、といった感情
- 「ネガティブな感情」のために、弱った私を見せると、母が優しくしてくれたので、母の愛を得たくて、「ネガティブな感情」にひたる。
- 「ネガティブな感情」で自分を罰することで、自分を更生させようとしている。
⇒更生した私を、母にほめてほしいと願っている。
どれも、子どもじみた考えですよね。
要するに、「私は、母が大好き」ということです。
子どもじみた考えだからこそ、「大人の道理には従いたくない」という思いが強いのでしょう。
そして、「考え方のクセ」も、「ネガティブな感情」も、簡単には「手放したくない」のです。
そのため、私は、「無理に手放さなくていい」と、思うことにしました。
「考え方のクセ」や「ネガティブな感情」が、わき出てきたら、母との大切な思い出を扱うように、「おや、出てきたね。今、私にとって、大切な何かが起こっているんだね~」と思いながら、のんびりやっていくのです。
すると、まるで、「北風と太陽」のお話みたいに、太陽のひざしを浴びた「考え方のクセ」や「ネガティブな感情」が、やわらかくなっていき、少しずつ緩んでいきます。