子どもに思いを伝えるときは、「Iメッセージ」を使う
「〇〇しなさい」「○○しないと、ダメでしょ」
こんな言い方、よくしていますよね。
間違いではありませんが、子どもには、親のメッセージが届いていないことが多いです。
お子さんが、「〇〇しなさい」という言い方で動いているという場合は、できのいいお子さんに、感謝しましょう。
子どもに思いを伝える時は、「Iメッセージ」で伝えると、伝わりやすくなります。
親自身を主語にして、「お母さん(お父さん)は、〇〇って思うから、△△してほしいんだよ」と、伝える方法です。
「Iメッセージ」で伝えるときの具体的な方法、伝えることが難しいときの工夫や、対処法について、お伝えます。
「Iメッセージ」で伝えるときの具体的な方法
「Iメッセージ」で伝えるときに、一番大切なこと。
「私は(お父さんは、お母さんは)」を、主語にする、ということ。
次に、「Iメッセージ」の文章の作り方。
①「状況」を説明する。
②「気持ち」を伝える。
③親からの「提案」を伝える。
たとえば、「お母さんは、○○ちゃんが、遅くまで起きている(①)と、体調を崩してしまうと心配(②)になるの。だから、早く寝てくれるとありがたい(③)」。
「Iメッセージ」で伝えたら、子どもが、どう反応するかによって、「次の行動」を考えておきます。
親からの「提案」に、「Yes」だったら、「ありがとう」と感謝を伝える。
親からの「提案」に、「No」だったら、もう一度、「Iメッセージ」を繰り返す、など。
「Iメッセージ」の文章を作るには、親が、自分の「考え」や「気持ち」を自覚することが、肝心です。
親が、自分の「考え」や「気持ち」を自覚するコツについては、次の記事をご覧ください。
子どもへのイライラがおさまらないときは、発想を変えてみる
ただし、「Iメッセージ」が、だれにでも、うまく使えるとは、限りません。
子どもに伝えることが難しければ、とりあえず自覚だけしておく
親として、子どもに対する自分の「考え」や「気持ち」は、自覚できた。
けれど、伝えるのが難しい、という場合。
大きく分けて、3つのパターンが考えられます。
①親が、恥ずかしくて、子どもに言えない。
②子どもが繊細で、親の「気持ち」を伝えると、「自分のせいで親を困らせてしまった」と、傷ついてしまう。
③親子関係がこじれていて、子どもが、親の言葉を素直に受けとめることができない。
伝えることが難しいときは、「自覚するだけ」でも、違ってきます。
たとえば、うちの夫の場合。
夫は「親としての威厳」が大切なので、息子に、自分の「気持ち」を伝えようとしません。
ただ、夫が、自分の「考え」と「気持ち」を自覚するようになってから。
頭ごなしに怒鳴りつけることが、減りました。
そのせいか、夫と息子の関係が、やわらいできています。
親が、自分の考えや気持ちに、アクセスできない
親が、自分の「考え」や「気持ち」を自覚しようとしても、「何も浮かばない」、「混乱する」というとき。
それ以上、ほり下げることはやめましょう。
あなたは、大変な状況の中、一生懸命生きてきたのかもしれません。
どうしたらいいか分からない環境で過ごすと、「こうすべき」という「考え」を、よりどころにして生きるしかありません。
心と身体にしみこんでいる「考え」を、客観的に見ようとする。
すると、まるで、「神」と信じてきたものが、「物」のように見えてしまい、不安になることがあります。
また、自分の「気持ち」を封じこめて生きてきた場合。
急に、「気持ち」に焦点を当てると、パンドラの箱が開いたかのように、混乱するかもしれません。
例えば、私の母の場合。
私が大学生のころ、妹に対する不満を口にしたら、母が、いきなり怒り出しました。
「何が、そんなに、嫌だったの?」と聞いてみたのですが…。
母は、「分からない」と、苦しそうに言っただけ。
母は、懸命に生きてきた人。
自分の気持ちを感じるような生活は、送ってこなかったのです。
自分の「考え」や「気持ち」を自覚することが難しい。
そんなときは、「自覚することが、難しいんだね」と、そのままに認めましょう。
それだけ、頑張って生きてきたんですから。
それ以上、無理はさせなくても、いいんじゃないんでしょうかね。
そして、自覚したい気分になったときに、あらためて、ほり下げてみましょう。