夫婦喧嘩に疲れたあなた 配偶者に発達障害があるのでは?
「なんで、こんなに夫婦喧嘩ばっかり!?」と思っているあなた。
もしかしたら、配偶者に発達障害の特徴があるのかもしれません。
発達障害の特徴をもっている配偶者は、共感しがたい言動をとるだけではなく、話し合いがスムーズにいかないからです。
とはいえ、発達障害の特徴をもつ人が結婚しても、夫婦仲良く暮らしている場合も多いのです。
どうして?
夫婦喧嘩が絶えないのは、この3つが原因。
①夫婦どちらか、あるいは両方に「発達障害の特徴」についての知識や自覚がない。
②夫婦の「思考パターンの違い」が大きく、お互いに譲れない。
③夫婦のどちらか、あるいは両方が、「偏った環境ではぐくまれた歪んだセルフイメージ」をもっている。
夫婦関係を改善したいなら、以下の取り組みが必要です。
①「発達障害の特徴」について、お互いに理解を深め、当事者(発達障害がある人)が自覚する。
②夫婦それぞれが、お互いの「思考パターン」に気づき、お互いに歩み寄る。
③「歪んだセルフイメージ」があるなら、「本来のセルフイメージ」を取り戻す。
発達障害の特徴がある配偶者に、苦労している人の一助になればと思い、私の経験をまじえてお伝えします。
※ちなみに、この記事において、「発達障害」は、病院で診断を受けた場合だけではなく、診断がつくほどではないけれども、発達障害の特徴(発達の偏り)が見られるという場合も含んでいます。
「発達障害の特徴」についての知識を得て、自覚する
「発達障害の特徴」についての知識がないと、発達障害の特徴がある配偶者に対して、「変な人!理解不能!」で終わってしまいます。
まずは、「発達障害の特徴」についての知識を集めましょう。
「発達障害」とひと言で言っても、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠陥・多動症(ADHD)、極限性学習症(LD)に分類されています。
しかも、「発達障害」も、十人十色で、ひとりひとりに違った特徴があります。
人間ひとりひとりの個性が違うのと、同じです。
配偶者が、「発達障害の特徴」をもっているのだと知ると、パートナーは、客観的に配偶者を見ることができるようになります。
また、当事者(発達障害がある人)が、「自分には発達障害があるんだなあ」と自覚すると、かたくなさが和らいできます。
そんなにすんなりといかないこともあります。
そうは言っても、夫婦関係を改善したいなら、やってみる価値はあるんじゃないんでしょうか。
私の夫も、私がさんざん、夫がADHDの特徴を持っていることを伝え続けていたら、自分にはADHDがあるんだと自覚するようになりました。
すると、話し合いに費やすエネルギーが、以前より少なくて済んでいます。
発達障害については、こちら。
「思考パターン」に気づき、お互いに歩み寄る
夫婦関係がギクシャクするのは、夫婦の「思考パターン」の違いによるところも大きいです。
「思考パターン」は、行動となって現れます。
相手の「思考パターン」が、自分とはあまりにもかけ離れている場合、相手の言動は、正直、理解不能です。
たとえば、私が結婚したばかりの頃。
本棚がほしかった夫が、サラ金でお金を借りて買い物をしてきて、私は、あぜんとしました。
私と夫の場合、物を買うことに関する「思考パターン」が、まったく違います。
- 私:自分の身の丈にあった物を買うべき。必要なお金をためてから買うべき。
- 夫:どうせ買うなら、最上の物を買うべき。借金をしてでも買うべき。
「思考パターン」は、たいていの場合、育った環境ではぐくまれます。
夫婦の双方が、「思考パターン」をお互いに自覚し、お互いに歩み寄れば、夫婦関係は改善していきます。
これは、どの夫婦も通る道筋でしょう。
とはいえ、「思考パターン」を手放すのが難しいのは、「思考パターン」があるために、守られていたからなのです。
「思考パターン」は、親が小さな子どもを必死で守るように、あなたを守ってくれ、そのために生き延びることができたと言っても過言ではありません。
これほど大切な「思考パターン」を簡単に手放し、相手の基準に合わせるのは、とても難しい…。
たとえば、私たち夫婦の場合
- 私:自分の身の丈にあった物を買うべき → お金を大切に使うことで、お金の心配をすることなく、暮らすことができた。
- 夫:どうせ買うなら、最上の物を買うべき → 良いものを使い、身につけることで、自分の価値が上がるように感じた。
発達障害の特徴をもつ配偶者の場合、変化に臨機応変に対応することが難しいので、「思考パターン」を手放すことは、至難の業です。
私の場合は、どうしても譲れない「思考パターン」に関しては、夫に歩み寄ってもらうよう働きかけ、ほかの「思考パターン」に関しては、手放すよう心がけています。
とはいえ、私自身も、発達障害の特徴があるので、これが今の限界かな…。
- 譲れない「思考パターン」:自分の身の丈に合った物を買う。私や息子を大切に扱ってほしい。
- 手放した「思考パターン」:家族で一緒に楽しく食事をとる。夫婦間のコミュニケーションを楽しむ。夫婦で一緒の趣味を楽しむ。夫婦間で愛情をはぐくみながら暮らす。
「歪んだセルフイメージ」があるなら、「本来のセルフイメージ」を取り戻す
暴力や暴言にあふれた家庭、愛されたという実感がともなわない家庭、独特な価値観をもつ家庭、学校でのいじめられ体験など、偏った環境で育つと…。
「自分はダメだ」という否定的なセルフイメージをもつこともあれば、「自分は絶対的に正しい」という尊大なセルフイメージをもつこともあります。
「自分はダメだ」という否定的なセルフイメージをもっている場合、その傾向が強くなると、うつ病などの精神疾患や、依存症、パーソナリティ障害を発症するリスクが高まります。
一方、「自分は絶対的に正しい」という尊大なセルフイメージをもっている場合、その傾向が強くなり、自己愛性パーソナリティ障害(自己中心的なものの見方をするパーソナリティ障害の一種)になる人もいます。
でも、尊大なセルフイメージの裏には、「どうせ自分なんて…」という卑小なセルフイメージがあります。
自己愛性パーソナリティ障害の特徴をもつ人は、「どうせ自分なんて…」という否定的なセルフイメージが表に現れそうになると、その思いをかき消すかのように、自分の配偶者に暴力を振るったり、暴言をはいたりします。
発達障害の特徴がある配偶者が、否定的なセルフイメージ、尊大なセルフイメージを強くもっている場合は、医療機関などにつなげるのが得策です。
ただ、配偶者に、困り感があれば、医療機関につながるのですが、たいていの場合、配偶者に困り感はない…。
配偶者に困り感がない場合は、まず、あなたが、自分を癒す時間と場所をもってください。
自助グループへ参加したり、カウンセリングを受けたり。
心や身体に気になる症状が出ている場合は、医療機関を受診するのもいいかもしれません。
あなたに「歪んだセルフイメージ」があるなら、自分を癒して、「本来のセルフイメージ」を取り戻しましょう。
あなたが元気になれば、配偶者との関係をどうしたいかが見えてくるはずです。
私たち夫婦の場合は、
- 私も夫も、偏った家庭環境の中で育っているため、結婚前に二人で集中内観へいき、自分を見つめた。
- しばらくは、私が我慢することで、結婚生活が続いた。
- 次第に、夫との結婚生活に疲れた私は、集中内観やハコミセラピーに参加し、自分を癒した。
- ハコミセラピーで癒され、「自分はこのままでいい」と思えるようになると、夫との生活を続けることは無理だと思い、夫に離婚を提案した。
- 夫が、離婚はしたくないと改心し、すったもんだはありながらも、結婚生活を続けている。
配偶者に「発達障害の特徴」があるだけで、夫婦関係が、壊滅的なものになることはありません。
ほかの多くの夫婦と同じように、お互いの「特徴(個性)」や「思考パターン」を知り、譲り合いながら、生活していけばいいのです。
「発達障害の特徴」がある配偶者の場合、譲り合いが、とっても難しいのですが、お互いに結婚生活を続けたいという意志があれば、いつかは何とかなります。
夫婦喧嘩で疲れ果てているあなたの結婚生活には、「発達障害の特徴」、「思考パターン」、「歪んだセルフイメージ」の三つどもえが影響を与えているのです。
そういえば、二人とも「発達障害の特徴」と「自己愛性パーソナリティ障害」がありそうなご夫婦がいたのですが、ケンカも激しく、愛情表現も激しく、仕事もアグレッシブになさっていて、楽しそうでした。
夫婦のタイプが違うときに、苦しみが生まれるんですね。
夫婦のタイプが違い過ぎて、どうしても譲り合えない、一緒に暮らすのは無理というときは、別居や離婚を考えてみましょう。
それまでに、あなたは十分に頑張ったのですから、自分を大切に。
一度きりの人生です。
思ったように生きてみましょう。