【私が癒えるまでの全記録】⑧ 自分を責めることにはメリットがあった

一見すると要らないものに見える、自分を責める考え。

自罰的な思考の裏には、実は、「ポジティブな意図」があるのです。

今回は、私の体験を通して、自責の念にひそんだ、「ポジティブな意図」について、お伝えします。

 

自責の念は、母の愛情を得るために、頑張っていた

 

「ハコミセラピー(心の身体の両方に働きかけるセラピー)Beingコース(体験を重視し、自分らしい在り方を見つめるコース)に参加して、1年が経とうとしていた頃。

「マインドフルネスワーク」をおこないました。

 

「マインドフルネスワーク」とは、

自分の課題を探るという目的のもと、

「マインドフルネス(ゆっくりと深呼吸をして、目をつぶり、自分の身体の感覚に意識を向けていく)の状態となって、

自分の中で何が起こっているかを、ていねいに見ていくものです。

 

「マインドフルネスワーク」では、イメージが展開されます。

私の心の中にいる批判的なキャラクターである「タカハシさん」と私が、向かい合って座り、話し合いをするという場面。

 

話し合いの場に現れた「タカハシさん」は、驚くほどに静かで、おびえているように見えました。

いつもは、高圧的な態度で、厳しい叱責を飛ばしているので、まるで別人のよう。

家では、傍若無人にふるまうのに、外では借りてきたネコのようになる私の母とそっくりです。

 

私が、「どうして、いつも、私にダメ出しばかりするの?」と尋ねると、「タカハシさん」が、ポツポツと答え始めました。

 

「いい子になってほしいから。

みんなから好かれる子、勉強や仕事のできる子になってほしいから。

あなたが、幸せになるためには、私が、しっかり見ていないといけない」

 

私が、「でも、ダメ出しばかりされると、つらくなってしまうんだけど」と伝えると、「タカハシさん」は、悲しそうな顔をして、黙ってしまいます。

でも、「タカハシさん」が、歪んだ価値観の中からではあっても、純粋に私の幸せを願っていることは、伝わってきました。

 

私の中にいる子どもが願っていたこと

 

私の中にいる批判的なキャラクターである「タカハシさん」が、私の幸せを願っていたことが分かった翌日。

「ハコミセラピー」のBeingコースで、また、「マインドフルネスワーク」を行いました。

 

ゆっくり深呼吸をして、目をつぶり、自分の身体に意識を向けていくと(マインドフルネスの状態)、今度は、私の心の中にいる元気な女の子のキャラクター、「なおちゃん」のイメージが展開されました。

ただ、「なおちゃん」に、いつもの元気はなく、洞窟の中を、水に流されるようにして移動していき、海の底に降り立ちます。

 

「なおちゃん」は、マッチ棒のように細長くなって、海の底に突きささり、ゆらゆら。

「なおちゃん」は、ママが迎えにくることを待っていました。

 

ものすご~く長い時間、海の底でゆらゆらしながら、ママを待っていた「なおちゃん」は、とうとう観念します。

どんなに待っても、私の母が迎えに来ない、ということを。

 

マッチ棒のように細長かった「なおちゃん」は、丸みを帯びて人間の形に戻り、海の中を泳いでいって、島にたどりつきます。

そして、たどり着いた島で、自分で食べ物を探し、葉っぱで家を作り、一人でたくましく暮らし始めます。

 

ポジティブな意図があるから、修正が難しかった

 

「ハコミセラピー」の「マインドフルネスワーク」を通じて、分かったこと。

 

私の心の中にいる小さな女の子(なおちゃん)は、「ママ(私の母)に認めてほしい。ほめてもらいたい」と切望していた。

私の心の中にいる大人の存在(タカハシさん)が、「ママに認めてほしい」という願いをかなえるために、「なおちゃんに、いい子になってもらおう!」と思って、髪をふり乱して頑張っていた。

 

「タカハシさん」の価値観は、微妙に歪んでいたために、「いい子」の基準が、ありえないほどに高く、「いい子」の基準に達していない私に対して、理不尽な指示やダメ出しをくり返していた。

「タカハシさん」は、失敗したときに「なおちゃん」が傷つくことを、過剰に恐れていて、失敗をしても傷つかないように、先回りして、ネガティブな結末を伝えていた。

 

「タカハシさん」の言動は、すべて、私のために良かれと思ってしていることだった!

だからこそ、「タカハシさん」の存在を消そうとしても、激しい抵抗にあっていたのです。

 

自分の中にある「考え方のクセ(ビリーフ)」が、一見、要らないものに見えても、本当は「ポジティブな意図」があるのだということに気づいたエピソードでした。

 

後日談として。

 

「マインドフルネスワーク」をおこなったあと、私は、福島の実家に帰省しました。

そのとき、私の母を見た「タカハシさん」は、「この人には、無理だ。なおちゃんを認めることは、一生、できない」と感じとり…。

 

そのあと、なりをひそめてしまいました。

たぶん、私の心のどこかに「タカハシさん」はいて、ちょいちょい私にダメ出しをするのでしょうが、その声が小さくなってしまったのです。

 

 

私は、私の行動に、理不尽とも思える指示を出し、思う通りにならないと、ダメ出しや叱責を与える「考え」に、苦しめられてきました。

「考え方のくせ(ビリーフ)」さえなくなれば、私は自由になれる!

そう信じて、「考え方のくせ(ビリーフ)」を修正しよう、消してしまおうと、努力していました。

 

ところが、「ハコミセラピー」のワークを通して見えてきたのは、「考え方のクセ(ビリーフ)」が、私の願いをかなえるために頑張っていた、ということ。

「母に認めてほしい」という願い、つまり、私の中にいる子どもの願いをかなえるために。

私に対して、理不尽とも思える指示を出し、私の母が認めるに値する結果が得られないと、ダメ出しや叱責を与えていたのです。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

続きはこちら。セルフイメージが極端に悪いために、自分を認められないことに気づきます。