アンガーマネジメント① 怒りをおさめる「ストレスマネジメント」

2021年4月20日

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「アンガーマネジメント(anger management)」は、文字通り、怒りをマネジメント(コントロール)する方法。

 

「アンガーマネジメント」には、大きく分けて、3つの要素が含まれています。

①ストレスマネジメント

考え方の修正

アサーション

 

今回は、「怒り」について説明するとともに、「ストレスマネジメント」についてお伝えします。

 

「怒り」は大切な感情なんだけど…

 

生きものは、危機的な状況にぶちあたったとき、3つの反応をすると言われています。

①闘争(fight):闘う

②逃走(flight):逃げる

③凍結(freeze):固まる

 

「相手と闘えば、命を守ることができる」と感じたとき、「恐怖」などといったネガティブな感情が、「怒り」に変わり、「闘う(fight)」といった行動があらわれます。

生きのびるために、「怒り」が重要な役割を果たしているのです。

 

たとえば、卵を温めている親鳥が、卵をヘビにねらわれたとき。

  • 親鳥は、「ヘビに卵を食べられてしまったら、大変!」と、恐怖を感じる。
  • 「恐怖」⇒「怒り」⇒「パワー」に変えて、ヘビとたたかう。
  • 無事、ヘビを追いはらう。

「怒り」がなければ、大切な卵をヘビに食べられて、おしまいです。

 

ところが、現代の人間社会では、「怒り」が活躍する場が限られています。

平和で安心できる社会であるほど、闘って命を守らなくちゃいけない場面って、ほとんどない。

逆に、「怒り」を前面に出すと、損をすることのほうが多い…。

それで、「怒り」を、コントロールすることが、重視されるようになったきたのです。

 

「ストレスマネジメント」の効果

 

「ストレスマネジメント」とは、イラッとしたときに、6秒間、怒りをしのぐための方法です。

この「6秒間」とは、「感じる脳(大脳辺縁系)」が活性化して「怒り」が生まれたあと、「考える脳(大脳新皮質)」が働くまでの時間です。

 

「考える脳(大脳新皮質)」が働き出すと、「今、怒ると損をする」など、合理的な考えが生まれます。

そして、「感じる脳(大脳辺縁系)」の働きを弱め、「怒り」をおさえるのです。

 

そのため、イラッとしてからの「6秒間」を持ちこたえることができれば、「怒り」は、それほど大きくなりません。

 

「ストレスマネジメント」の具体的な方法

 

「ストレスマネジメント」では、基本的に、「考える脳(大脳新皮質)」を活性化させます。

それに加えて、イラッとした場面をくり返し思い出すことを防ぎ、「感じる脳(大脳辺縁系)」を鎮めます。

教科書的な方法の中には、「こんな方法、だれも使わないよ」というものがゴロゴロあるので、使えそうな方法だけピックアップしました。

 

深呼吸

「怒り」を身体の外に吐き出すようなイメージで、ゆっくりと口から息を吐きます。

そして、新鮮な空気が身体の隅々に行き渡るようなイメージで、ゆっくりと鼻から息を吸います。

呼吸にだけ、意識を向けるのです。

 

その場から離れる

イラッとしたときに、その場から離れ、気分転換をしながら、一人で静かに過ごします。

嫌な場面をくり返し思い出すことは、「怒り」が高まってしまうので、NG。

ただ、職場など、オフィシャルな場所で急に立ち去ると、変な感じになるので…。

「ちょっとお手洗いに」などと伝え、トイレの個室で気持ちを鎮めるというのはいかがでしょう。

 

別なことをして気をそらす

別なことを考えたり、したりすることで、イラッとした場面から気をそらします。

時と場合が許すのであれば、集中できる活動、没頭できる活動をすることがおススメです。

たとえば、

  • 仕事や勉強など目の前の作業に集中する
  • 趣味に没頭する
  • 掃除をする
  • 目の前にあるペンをじっと観察して、心の中で描写する
  • 指をすり合わせて、その感触を味わう
  • 楽しい出来事を思い出す

事前に、どんなことをするか、決めておくと安心です。

 

自分に言葉をかける

心の中で、元気が出るような言葉、気持ちがやわらぐような言葉を、自分にかけていきます。

たとえば、

  • 大丈夫
  • きっとうまくいく
  • 図太くいこう
  • 何とかなる
  • 私はよくやっている
  • 私は頑張っている

いきなりだと言葉が思いつかないので、事前に「イラッとしたら、この言葉をかけよう」と決めておくといいですね。

 

身体の緊張をほぐす

イラッとしたときに、その場を離れることができる状況だったら、身体の緊張をほぐす方法がおススメです。

たとえば、

  • 冷たい水で顔を洗う
  • 冷たい水を飲む
  • 笑顔を作る
  • ソファや床の上などに大の字になって寝転ぶ
  • ストレッチなど軽い運動をする

私は、夜にイライラすることが多いので、さっさとお風呂に入ります。

 

「ストレスマネジメント」の限界

 

「ストレスマネジメント」にも、限界があります。

限界を作り出してしまう原因の1つは、「グルグル思考」

「グルグル思考」とは、嫌な場面をくり返しくり返し思い出すことです。

思い出すほどに、「怒り」がどんどんふくれ上がっていき、収拾がつかなくなります。

 

私も、夫に対してイラッとすると、嫌な場面をくり返し思い出し、ついでに、過去の嫌なことまで思い出していました。

そうなると、「ストレスマネジメント」の方法を実践しても、「グルグル思考」の圧倒的なパワーに負けちゃいます。

「グルグル思考」を手放して、頭の中を空っぽにすることが、いかに難しいか・・・。

 

「グルグル思考」を手放すポイントは、「グルグル思考」をやめるのではなく、「グルグル思考」の代わりに別なことをする、です。

先ほど書いた「ストレスマネジメント」の具体的な方法ではうまくいかない場合は、「グルグル思考」の代わりに頭の中を占拠してくれるものを探します。

熱中できるものがおススメです。

 

そして、徹底的に実践し、頭の中から「グルグル思考」がなくなった身体の感覚を味わいます。

身体に覚えさせる感じです。

 

私自身、いろいろな方法を試してみたところ、「慈悲の瞑想」のフレーズをひたすらに唱えると、「グルグル思考」が消えることを発見!

1年間、「慈悲の瞑想」を唱え続けていたら、絶望的な体験で傷ついた心でさえ、整ってきました。

 

そして、何より、「ストレスマネジメント」の限界は、「ストレスマネジメント」をやらないこと

何もやらなければ、何の結果も生まれませんから。

 

 

今回は、「アンガーマネジメント」のうち、「ストレスマネジメント」についてお伝えしました。

「ストレスマネジメント」は、簡単な方法なのですが、実践を継続することが難しい。

でも、続けていけば、効果が現れます。

めげずに取り組んでくださいね。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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