夫に対する不快な思いを深掘りしていくと自分が見えてきた
ほかの人から見れば、ささいなこと、くだらないことでも、「どうしても嫌なこと」って、ありますよね。
周りの人からは、「気にしすぎだよ」とか、「適当に受け流せばいい」と言われても、どうにもガマンならない…。
今回は、夫に対する不快な思いの背景に、何があるのか、探ってみました。
夫に対して不快な思いがわいてくる
私は、夫が第三者の批判を始めると、嫌で嫌でたまらなくなります。
しばらく前のことですが、夫が、ニュース番組を見ながら、トランプさん(アメリカ大統領)やゴーンさん(元日産CEO)について熱く語り始めると、本当に不快な思いに…。
トランプさんに関しては、「アメリカ大統領ともあろう者が、浅はかなことばっかりやって、本当に情けない。アメリカ大統領には、もっと人としての徳がなければならない!」。
ゴーンさんに関しては、「私腹を肥やしたうえに、海外に逃亡して、許せん!自分でやったことは、自分で責任を負うべきだ!」。
夫は、社会的に間違ったことをしている人を許すことができません。
世の中を見渡しても、夫と同じような意見をもっている人は大勢いるはず。
私も、夫の意見がまったくの見当違いとは思っていません。
頭では分かっているのですが、夫がトランプさんやゴーンさんを罵倒している声を聞くと、不快な気持ちがムクムクとわきあがってきて、どうにもガマンできなくなるのです。
不快な思いを深掘りしたら自分をしばる考えが見えてきた
なぜ、そんなにも嫌な気持ちになるのか、探ってみると…。
「夫が第三者の批判をするときに不快な気持ちになる」というベースに、「私の母の影響がある」ということに気づいたのです。
私が小さい頃から、父や父方の親戚に対する不満を常々口にした母。
その経験がいしずえとなり、私をしばる考えが作られていました。
「夫婦仲がいいと子どもは健全に育つ」という考え
「夫婦仲がいいと子どもが健全に育つ」というのは、世間ではもちろん、心理学の業界でも、強力に支持されている説です。
それに加え、私の母が、父や父方の親戚を悪く言うことで、私は、「私の血は、半分が汚れている」と感じており、自分を認めることができませんでした。
息子が生まれてからは、「息子には、私のような思いはさせたくない。夫とは仲良くしなくちゃ。夫の悪口を息子に聞かせてはいけない」と心に誓っていました。
夫が自分の我がままから浪費をしても、収入がなくなったり、半減したりしても、「私が頑張って働けばいい。ガマンすればいい」と本気で思っていたのです。
だから、夫が自分のことを棚に上げて、トランプさんなどの批判を始めると、「どの口が言う!」と腹が立つのに、「いやいや、息子のためにガマンせねばならん」と、ぐっとこらえる日々。
不満を抑えこむほどに、不快な気持ちはどんどん大きくなっていったのです。
「夫婦同レベルの法則」という考え
小学生の私は、母の愚痴を聞かされるうちに、ふと思ったのです。
- こんなにダンナさんの悪口をネチネチと言う人が、素晴らしいダンナさんと結婚できる訳がない。
- 奥さんとダンナさんは同レベルなんだ。
それでできあがったのが、「夫婦同レベルの法則」でした。
でも、実際に自分が結婚したら、夫がお金に関しては、まったくのダメ男だった…。
夫がダメ男であるということは、私自身も、ダメ女、ダメ人間。
ダメ人間である私こそ、夫に物申すことはできないんじゃないか…。
夫がトランプさんを批判するときに、やめてほしいと口にしても、私の中でブレーキがかかるようで、夫には私の言い分が届きません。
そのため、何も響いていない夫は、延々とトランプさんへの批難を続けます。
「不満があったら解決のために動くべし」という考え
「不満があるなら、ただ愚痴を言うだけではなく、問題解決に向けて動いたほうがいい」という考えが、私の中に根強くあります。
母は、父や父方の親戚に対する不満をさんざん言うのに、解決に向けての行動を起こさなかったし、私も母を助けることができなかった。
「母を助けたかった」という思いが強く残っているせいか、私は、不満だけを言い、自ら行動しない人を見ると、やるせない気持ちになります。
夫がトランプさんの批判を始めると、「批判は誰にでもできる。許せない行動を改善するために、自ら行動を始めないといけない」という考えが浮かびます。
それを夫に伝えても、当然ながら、「俺にできることなんて、あるわけがないだろう」と言われて、おしまい。
そのくり返しでした。
自分の行動や考えを別なものに置き換える
私が「どうしても嫌なこと」を深掘りしていくと…。
私をしばる考えがあるために、自分で自分の首を絞めていること、考えの底辺には、母の影響があることに気づきました。
一見すると、どうしようもないことのように見えますが、自分の考えや行動を別なものに置き換えると、嫌な気持ちが減少していきます。
私の場合、大キライな相手(夫)とでも、それなりに暮らせると気づいてから、「仲良し夫婦ごっこ」をやめました。
すると、夫に対して、ただの怒りではなく、本音をぶつけることができるようになり、夫にも、私の思いがビシバシ伝わるように。
私の言葉に夫がハッとして、トランプさんへの批判を控える場面も出てきました。
私自身も、腹に一物を抱えるということがないせいか、気持ちよく過ごせています。
相手に対する不満は、その相手や状況にもよりますが、直接伝えるのが一番かも。
息子も、それなりに育っており、「夫婦仲がいいと子どもが健全に育つ」という説にのっとっていなくても、何とかなるんだな~と。
「仲良し夫婦ごっこ」をやめて気が楽になったという記事は、こちら。
「夫婦同レベルの法則」に関しては、「私が人としてのレベルを上げていけば、いつか夫が振り落とされて、私の人生から消えるに違いない」と思うにいたりました。
とはいえ、夫への不満がふつふつとわいていたのですが、「夫婦仲がいいと子どもが健全に育つ」の枠が外れてからは、自分磨きに専念できています。
今でも、夫が私の人生から消える日を楽しみにしているのですが、夫がだんだんと付きあいやすい人に変わってきており、思わぬ誤算となっています。
「母を助けたかった」という思いは、根強く残っており、すぐに解消することは難しい…。
おそらく、私の永遠のテーマであるとともに、私が心理カウンセラーとして働く原動力にもなっています。
このテーマは、じっくりと扱っていくことにしました。
自分を深掘りしていった末、どうしても嫌なことには、自分にとって譲れない考えや傷ついた体験が関係しているのだということを改めて認識しました。
そして、自分をしばる考えや行動を、これまでとは違ったものに置き換えるという工夫を実践しています。
そのためか、夫がトランプさんの批判を初めても、以前のような激しい不快感には襲われなくなりました。
不快な気持ちを解消する方法はいろいろありますので、自分を知ることがすべてではありません。
でも、自覚することで視野が広がるので、イラッとしたら、「自分を知る機会」ととらえてみてはいかがでしょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。